2016年06月30日
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旅を楽しむコツ
吉田カバンというメーカーがあって実物も触っているのだが、物自体はなかなか良い出来映えである。よほど買ってもいいかなと思えるのだが買いに至らない。理由は色の選択肢の乏しさである。色についてはあまり選択肢がないのが吉田カバンである。これをどう見るか? 道具であるから色はさほど重要ではない、と言うのであればわたしと道具観を異とする。道具は道具であるが見てくれは重要である。車は詰まるところ道具であるが、道具だからと言って色が選べなかったらおもしろくない。ゴルフでもクラブの顔とかシャフトの色合いとかも意味はある。どんな意味かというと持ち主をモチベートするということ。だいたいにだ、良い道具というのは美しい。これは絶対真理である。物作りの現場に長く携わって断言できる。良い製品はまず間違いなく美しい。それはエンドユーザーの目に触れない一部品のであってもだ。犬印鞄の素晴らしい点は色の選択肢の多さである。ほとんどすべての製品で11色の選択肢がある。これを実物を見て、やいのやいのと言いながら選ぶ工程はまさに自分も物作りの一員という気持ちがしてくる。購入者に渡ってそこで物作りが完結する。それくらいユーザーの選択はクリティカルである。





犬印の鞄はまだ買ったばかりであるが、実は多少懸念がある。本当に良品としての強度を備えているかということである。写真を見ていただきたい。肩掛けを鞄に固定するのであるが犬印はいきなり縫い込んで終わりである。これでは重くなった時にこの部分に集中的に加重がかかり鞄の生地だけで荷重を支えることになる。これで本当に持つのか? 確かに6号という工業用の厚手の生地を使っているがそれ頼みと言える。





ベンチマークとして同じくらいのサイズのエースの鞄。見ていただきたい。肩掛けは本体に長く二重に縫いつけられている。これなら盤石であるサイズが同じくらいの鞄でこの作りの差をどう見るか? ついでに使っている金具を見ていただきたい。




鞄が肩掛けの使い方で壊れるとしたら金具か本体が破けるかである。エースの金具は素人目にも強度抜群である。金属部品は形状もあるがほぼ肉厚に強度は比例すると考えていい。こういう部分にエースは金をけちっていない。





参考までにTUMIのボディバッグの金具を見ていただきたい。小さな鞄であるのにつけている金具が犬印の大型ボストンよりはるかに肉厚で頑丈ある。これでは壊れようがない。そしてエースもTUMIもどちらも良い金型のフォルムで美しい。やはり良品は違うと言わざるを得ない。かと言って犬印を否定する気もない。用途に合わせて十分な強度があればいいのである。わたしはビジネスマンではないし重たい鞄をひーひーと持ち歩く身分でもない。試しにボストンバッグに3泊4日程度の荷物を積めたら鞄こみでわずか3キロ。パソコンやACアダプターや資料やサンプルなど重たい荷物を持ち歩くわけではないから軽いことこの上ない。であれば十分な強度を持っておしゃれであったほうがいいという気もする。しばらく使っていけばまたいろいろわかるだろう。

最後に鞄を長持ちさせる方法をお話しておこう。一番は毎日同じ鞄を使わないことである。靴でも毎日履けば痛むに決まっている。服も同じ。ところが鞄は物を入れたままで毎日同じという人間が多い。人間がよれよれで鞄もよれよれ。よれよれの鞄も持っている優秀なビジネスマンをみたこおとがない。靴や服装よりも鞄がビジネスマンの能力をリプレゼンツしているとわたしは思う。もちろん鞄がよくても仕事ができない人間もたくさん見てきた。良い鞄を買えば仕事ができるというものではないのだ。
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