それでも春は来る

2016年03月10日
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児童養護施設のこと
担当の中学3年生の子どもの高校受験の合格発表の日である。自己採点では十分合格ラインをクリアしているので、たぶん大丈夫だろう。自己採点が間違ってなければだが、、、学力的には妥当な自己採点結果だ。無事合格となってもそれほど喜べない。かなりレベルを落とした結果である。その子はわたしが入職以来担当してきたが、大変問題の多い子であった。性格にも難しさがあり接し方は容易ではない。だがその子の知能指数は抜群に高いのである。だから勉強すればものになるかもしれないと考えたわたしは3年半あの手この手いろいろ繰り出したきた。腹に据えかねる言動が多い子であるからたぶん他の職員では衝突してどうにもならなくなったんじゃないかなって思う。それでもわたしの努力はあまり意味がなかった。勉強にはまったく身が入らずに3年生になったらどんどん成績が落ちていった。結局最初目指していた高校から偏差値で10も落とした。

まあそれはそれで仕方ない。わたしが入れ込んだからと言って結果がでるケースはそれほどない。わたしがいる間に知られた大学に進学にする子を応援できたのは、その子もそうだがわたしもラッキーであった。児童養護施設から大学に進学する子供の比率は11%だそうだ。世間の平均が50%。これがあがっていけば良いと思うが、一方児童養護施設で働く職員の多数は大学を出ていない。別に人生大学に行かなくてもいいのであるが、行けるような優秀な子供をぽんと背中を押してあげるというふうにはなかなかならないということだ。

わたしがつとめる児童養護施設も4月には年度替わりで組織が少し変わる。わたしを目の敵にしていたベテラン職員が二人いたが、一人は退職、一人は移動と相成った。別にわたしが追い出したわけではなくていろんな思惑が交錯しての結果であろう。一応組織だから昇進とか降格もあった。わたしは入職4年目であるが新しい上司は3年目25歳のリーダーである。もちろん上司と言っても会社の上司とは違うのであれこれ命令されることはない。それで8人中わたしが上から3番目に古くなる。

入職してわずか3年でベテランとなってしまう職場。それだけ人の出入りが激しいということである。それから業務に深みがでない。子供への接し方など新卒のフレッシュマンなら相当の経験をしないと一人前になれないはずなのにわずか3年で後輩に指示をするリーダーとなる。このあたりが児童養護施設運営の難しさである。施設にいる子供は幼児から高校生まで、それが今後22歳まで施設にいられるようになるとの厚生省の方針だ。一方職員の多数は短大専門学校卒で20歳そこそこ、心に闇を抱える難しい子供の世話をほぼ苦労知らずの同世代が行うという構図である。無理がある職場なのである。

まあ難しさを抱えながらも子供は着実に大きくなって行く。桜も咲きそして散るだろう。職員も年をとる。わたしは54歳で施設に来たが58歳になろうとしている。あまり変わらんのであるが、こどもにとっては4年間というのはとても大きいからその成長の家庭でハルトモって変なおっさんがいたなくらいには記憶には残るんだろうか?
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ハルトモ
Posted by ハルトモ
自由人ハルトモ。那須とさいたまを毎週往復するリゾート&リタイアライフ、そして旅、投資ネタもありのブログです。
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