買い下がる

2015年11月16日
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株式投資
東洋経済の生涯獲得賃金のランキングというのがあって、日本の大企業500社が網羅されているんだけど、トップがキーエンスという会社でこの会社は多少知っているんだけど定年まで働ける人はほとんどいないね。それはさておき日本でもっとも給料が多い企業で5億円くらいと出ている。でもそれは本当のトップで、大卒で一流企業でと言えば3-4億円が相場だと思う。トヨタでも3億ちょっと。でもこの金額に退職金は入っていないし企業年金も厚生年金も入っていない。これを足すと日本で一流企業に勤めていれば一生に5-6億円は稼ぐかなと思う。

わたしは日本の企業から32歳で転職してそれで外資系のメーカーに入った。一応メーカーだから給料は表向き地味だった。それが昇進して上級職になるとインセンティブボーナスとかストックオプションとか一般社員の時には知らなかったいろんな制度があって上ほど手厚いと初めてわかった。昇進するに従い一般社員には給料の話はするな、なんて上から言われた。だから昇進した甲斐はあったね。それに加えて生涯年金をくれるんだから随分恵まれたサラリーマンだった。

ということで株で数億儲けたら富豪かというと、これは株しか収入がないならそれはそうとは言い難い。それくらい生涯で稼ぐサラリーマンはゴロゴロいるのである。ただ若くしてまとまったお金を手にするならそこから人生の選択肢が大きく広がってくるからそこでサラリーマンとは決定的に違ってくる。自分で何かしてもいいし、仮に給料をもらい続けていてもいいし、いずれにせよ頭を低くしてビクビク生きることは無くなるのでそれだけで毎日気分が良くなる。借金で物を買うということがなくなるから余計なコストを払わされる必要もなくなって返っていろいろ安上がりになる。世の中金持ち優遇なんだなと改めて実感する。そんなサイクルである。

私の場合、最初はテクノロジードリブンの先取り投資も暴落待ちもやったけど、基本的には買い下がるというのが勝負パターン。巷ではナンピンと呼ばれるのかもしれない。まずそれなりに見込んだ会社しか買わないから潰れるなんてのは全くありえない会社での勝負になる。潰れない会社であれば人気で値段が上下しても必ず収まるところに収まる。ただその収まるというのが企業がはじき出せる利益とか保有している資産からいわゆるバブルが少ない銘柄でないといけない。全然儲かっていないのに期待値だけで株価が維持される会社は避ける。年間安定して1000億円の利益を弾き出す会社の時価総額がすでに200億円だったら下がるにしても限度がある。ところが年間100億円しか利益が出てないのに時価総額が1兆円なんて言ったら、それが株価が10分の1くらいまではありうるからそんな株は怖くて手が出せない。株価というのは将来性への期待を織り込むけどその将来性というのはこれはあてにならない。一方直近の収益力はあてになる。ただその直近というのが業界によって違う。自動車部品業界は直近は3年。3年先の収益が正確に予想することができる人間にはできる。つまり予測できる投資家の強みが活かせる。ある業界では直近は数ヶ月、これでは人を出し抜いて予測の力量で勝負することは難しい。そういう意味で自動車部品業界はバブルが少なく人気で株価が大幅に乱高下せずかつ数年先までかなり正確に予測が可能というかなり特殊な業界で、よくぞハルトモくんはそこにいたと自分で思った。転職した会社も良かったがそれをさらに株式投資で活かせたのは本当に幸運だった。

それでも買い下がる時のコツというのはある。それは全体的な資金管理だ。絶対に潰れないという自信があり、かつ時間的余裕のあるカネであること。いつまでも待ちきれるカネであるということ。少なくとも3年くらいは待つ覚悟で入るから。それから底ではなかなか拾えないから、下がるに従い買いが大きくできる組み立てにして、ありえない値段まで想定すること。たとえばボッシュでは150円で軽く買いだして、それからどんどん買い下がってついに50円台にまでなった。でも私は10円になっても買い下がるつもりでいた。トヨタは3000円くらいから買い下がって、それで1000円になっても良いと思っていた。でも株価が1000円というとトヨタの時価総額と年間の利益額が同じになっちゃう。そんなの流石にありえないわけだ。だからそのありえないところに線を引いて勝負していくということ。だから買い足していけば必ずどこかで底を打つからそこが底ということだ。

こうやって書くと簡単でしょ。さてどうやって私の真似します。タイムマシンでも持ってない限り真似なんかできない。と言うか似たようなことはできても結果は全然違うんじゃないかしら。だいたい投資以外の生活ぶりとか仕事とかあと考え方とか精神状態とかも同じにならないと本当の同じにならないけど、私のような人間て私自身は会ったことない。私の知り合いもみんな言う。ハルトモのような人間に他に会ったことないって。だから私は私。あなたはあなた。どこまで行っても財布は同じにならないのね。
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