物を買ってもらうということ
2015年08月10日
児童養護施設の子供でも学校や部活で必要なものは購入する。今時は子供の希望も聞いて、学校で恥ずかしい気持ちにならないような物を買い与えている。
子供たちは職員と一緒に買い物にいくわけだが、買っても子供は職員にお礼は言わない。施設の金とわかっているからだ。実際は職員がいろいろ安く買うために苦労したり、手間暇も時間もかけているのだが、それは職員の仕事だろうと思っている。ということで物を買ってもらっても感謝の念は生じない。
むしろほかの子供が施設の金であれを買ってもらった、俺にも買ってくれと、細かにあげつらって要求をしてくる子供が多い。普通の家庭であれば親が買ってくれる。どんなかたちにせよ、親がいるおかげでこれだけも物が手に入る、これだけの生活ができる。ありがとうと言おうが言うまいが、これは否定しようのない厳然たる事実である。もしも親が苦労して金を用立てているなら、それは子供にも伝わるだろう。
ということでそれでどうなるかと言うと、施設の子供はおしなべて激しくものを大切にしない。すべての物の扱いが乱暴である。壊れたらまた施設に買わせればよいとまでは思っていなくても、買うことの大変さがまったく理解できない。これはどうにも教えようがない。自分で生活し出したらどれだけ大変なことかわかるようになるかもしれないし、相変わらずものを粗雑に扱う人間になるのかもしれない。
物に拘るのもつまらぬことと前記事で書いたが、物を粗末に扱うのもこれまた愚かなことである。物のありがたみがわかってくるとその先に、感謝の気持ちが、というのがあるのだが、それはずいぶんとレベルが上の話だ。感謝しなさいと言えば言うほど感謝を勘違いするようになる。人並みに礼を言うのだがまったくわかっていない子供も多い。ありがとうとは言いながら次々と飽きることなく要求し続ける子供もいるのである。
施設で働いていると毎日、死ね、ジジイ、早く辞めろ、と子供から罵られる。そういうセリフを吐くようになった経緯もあるのであるが、聞いていて漠然と思うは、しねー、と言う鳴き声の動物なんだな、ということである。言っている子供もその言葉の重みはわかっていない。まさに鳴き声である。犬がなんでワンワンと鳴くのだと怒る人はいないだろうが、ワンワンと鳴く犬をにゃーにゃーと鳴かすように変えるのがどれほど困難かと同じく、しねーと鳴く子供の鳴き声を変えるのはこれはまた容易なことではないのである。
子供たちは職員と一緒に買い物にいくわけだが、買っても子供は職員にお礼は言わない。施設の金とわかっているからだ。実際は職員がいろいろ安く買うために苦労したり、手間暇も時間もかけているのだが、それは職員の仕事だろうと思っている。ということで物を買ってもらっても感謝の念は生じない。
むしろほかの子供が施設の金であれを買ってもらった、俺にも買ってくれと、細かにあげつらって要求をしてくる子供が多い。普通の家庭であれば親が買ってくれる。どんなかたちにせよ、親がいるおかげでこれだけも物が手に入る、これだけの生活ができる。ありがとうと言おうが言うまいが、これは否定しようのない厳然たる事実である。もしも親が苦労して金を用立てているなら、それは子供にも伝わるだろう。
ということでそれでどうなるかと言うと、施設の子供はおしなべて激しくものを大切にしない。すべての物の扱いが乱暴である。壊れたらまた施設に買わせればよいとまでは思っていなくても、買うことの大変さがまったく理解できない。これはどうにも教えようがない。自分で生活し出したらどれだけ大変なことかわかるようになるかもしれないし、相変わらずものを粗雑に扱う人間になるのかもしれない。
物に拘るのもつまらぬことと前記事で書いたが、物を粗末に扱うのもこれまた愚かなことである。物のありがたみがわかってくるとその先に、感謝の気持ちが、というのがあるのだが、それはずいぶんとレベルが上の話だ。感謝しなさいと言えば言うほど感謝を勘違いするようになる。人並みに礼を言うのだがまったくわかっていない子供も多い。ありがとうとは言いながら次々と飽きることなく要求し続ける子供もいるのである。
施設で働いていると毎日、死ね、ジジイ、早く辞めろ、と子供から罵られる。そういうセリフを吐くようになった経緯もあるのであるが、聞いていて漠然と思うは、しねー、と言う鳴き声の動物なんだな、ということである。言っている子供もその言葉の重みはわかっていない。まさに鳴き声である。犬がなんでワンワンと鳴くのだと怒る人はいないだろうが、ワンワンと鳴く犬をにゃーにゃーと鳴かすように変えるのがどれほど困難かと同じく、しねーと鳴く子供の鳴き声を変えるのはこれはまた容易なことではないのである。
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