雑草の英才教育

2015年04月22日
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日々の雑感ーリタイアライフ


高校三年生の受験生の子供の相談係を勝手に務めている。というかいろいろ話しているうちに逐次相談を受けるようになった。自分の娘が今春大学に入ったばかりで受験事情に多少明るいのと、難関大学を目指そうという施設の子があまりいない中、大学受験の相談に乗ってあげられる職員もあまりいない。わたしが相談に乗るのは適任と言えるだろう。

その子が言う。ハルトモさんは最初なんだと思ったけど子どもの視線で考えていて、それから頭が良い、と。この子はなかなか賢い子である。なかなか高校生くらいでわたしのことを頭が良いと思う子供はいないのである。わたしのレトリックをすっと理解できるわけだから現代国語の力がかなりある。

あまり本を読んでいなくて深く考えていない子供にとってわたしの言うことはとてもまどろこしくて何を言いたいのか理解できない。そういう子にはまたそういうコミュニケーションを取ればいいのであるがまあ適当に織り交ぜていくわけだ。

その子は最初専門学校さえ考えていた。理由はなんとなく施設の子だからそのほうが手堅いのではないか。だが学力的には十分世間で難関大学と呼ばれる大学を狙えるだけのものがある。そこでわたしは話した。未来から逆算して進路を考えよ。施設にいるとかいう条件など一旦外してしまえ。たまたまこの施設にいるという理由だけで、自分の持っているポテンシャルを封印するな。

わたしと話していく中で彼女は大学進学に傾いた。大学進学となればどうやって勉強するかである。今は受験テクニックを制したものが特に強い。独学では限界がある。それでいろいろ手を尽くしている。最近はネット利用の便利で協力な勉強方法がたくさんある。だがやはり予備校に行けばもっと環境は整う。せめて英語だけでも予備校に通いたいとその子が言う。

それでわたしが紹介した予備校に実際行ってみてとても良かったと本人が言う。他の予備校も回ったが、そこが一番良かったと言う。ところがそこは費用的に高くて施設の予算では足りない。そこでもっと安いところを探せという指示が施設から出た。ところが他はなかなか良いと思えるところがない。

その子からどうしたら良いかと聞かれて、わたしは即答した。今の金の都合で自分の未来を枠にはめるな。自分の未来にとって必要なものは何か考えその後必要な金の段取りを考えるのだ。

貧乏人は今の環境からしか未来を考えることができない。今持っている金から何ができるか考える。だから貧乏から一生抜け出せないのだ。成功する人間は自分がどうなりたいかから逆算して今やるべきことを決めるのだ。金もいくら必要か?そこから考える。とここまでの言葉遣いでは言わなかったが、これがわたしのキーメッセージだ。

自分でへたすりゃ10万円くらい出さなきゃならないが、その子は真面目な子でけっこう貯金を持っている。施設を出るときに10万円金が多くたって、そんなもの人生ではたいしたことでもなんでもない。それより今やるべきことに投資するべきだとわたしは話した。その子はその高い予備校に行くことを決断した。

これはわたしなりの英才教育である。高校生の施設の子がハルトモから直接成功の考え方を手ほどきされる。

その予備校は自習室も充実していてそこで自由にいろいろ勉強できるそうだ。施設は小さい子供もいるし騒々しくて集中して勉強できる環境にない。その意味で自習室は重要だ。

わたしの娘も有名な予備校に通わせた。毎月20万円ほどかかった。だが自習室も使わず、また映像授業も主に自宅で受けた。自習室よりも自宅の環境のほうが良いからである。自分の部屋には静かで最新のパソコンもある。広い机と座りやすい椅子もある。リラックスしようと思えば階下にはカフェばりのリビングもあるし血統書付の猫もいる。

金のことなんか娘はまったく気にしていない。予備校も大学の学費も留学費用も何事もなく親から出てくると思い込んでいて事実その通りになる。娘は親が金の工面の話しをしているのを聞いたこともない。娘にはわたしの雑草の英才教育はまったく必要ないのである。
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