夢の続き

二日続けて宿直の場合などには夜に１時間だけ休憩を取って良いということになっている。時間を割と自由に取っていたら上から通達が来た。休憩は２１時から２４時までの間で取ってくださいだと。不思議だなあとわたしが思うのは、勤務は２０時で終わっていて、その２１時から２４時という時間帯は給料など払ってないのだ。給料払ってない時間に休んでよいと許可をするってのはどういう了見かね？ それでもこれが施設のルールなんだと。日本国にもルールはあるんだけどね。まあ適当にやるのだが。

一時間休憩をもらってもすることはないので、空いている部屋で寝ることにした。目の手術をしたはいいがまだ目が慣れるのに時間がかかるようで無理に見ているので非常に疲れるのだ。部屋で寝ていても子供達の大きな話し声が筒抜けで聞こえてくる。いろんな物音がする。普通ならうるさくて寝ていられないとイライラするのかと思えるが、どうやらわたしはそうでないのである。子供達の話声笑い声を聞きながらウトウトと眠れる。遠くで聞こえるBGMのように心地よく響く。それで改めて思った。わたしは施設の子供と一緒にいるのが嫌でないんだな、と。

昔見た映画だかドラマで、ずっと夜勤の仕事をするお父さんの話があった。そのお父さんはいつも日中寝ている。でもその寝ている中で子供達との生活をそこに感じながら寝ていたのだとなあ、と回想する場面があって、そのドラマが急に思い起こされ、こういうことだったのかと得心を得る。

その一時間の間に夢を見た。わたしと仲の良い男の子の夢だ。今は別の棟に移ってしまっているので一緒に暮らせないが、その子がトイレから出てきて言うのである。ハルトモさん、自分でうんちできたよ。 おおーすごいな そう返事したところでアラームが鳴った。夢から覚めればまたそこに子供たちがいる。宿直はきついが夢の続きに終わりはない。