毎日楽しい

2015年01月15日
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日々の雑感ーリタイアライフ
二年半前に入職した時に、わたしの指南役になったのが、わたしより半年前に入った20代前半の女性職員、ルールを子供に守らせるのにやっきで、いつも子供を叱ったり、またああしなさい、こうしなさいと小言や注意ばかりしていた。9時です。テレビは消しなさい。早くお風呂に入りなさい、そんなことはしてはいけません、なんて感じだ。子供達との関係も悪く子供との言い争いが絶えない。もちろんそうしろとそのまた先輩から教え込まれていたからだが、わたしにも同じようにやってください、と指導するのである。

わたしはすぐにこんなやり方ではダメとわかったので、違うやり方を取った。手短に言えば子供達の自主性を引き出す作戦である。看守じゃあるまいし年がら年中小言を言うのが仕事とは自分でも馬鹿馬鹿しいし、そもそも子供達のためになるとも思えない。時間はかかるかもしれないが、子供達が自ら動くように、どう持っていくか、繊細なコミュケーションと忍耐が必要であるが、そこはハルトモ君は営業のプロ中のプロである。やりようはいくらでもある。

そんなわたしを見て、指導役の女性、そして先輩たちは、わたしがサボっている、やるべきことをやらない、いい加減な仕事ぶりであると非難轟々であった。ずいぶん施設長に告げ口もされた。だが二年半たった今、わたしの子供への接しかたがおかしいと批判する声はまず出てこない。わたしが勤務している時は子供たちは落ち着いてリラックスしていて五月蝿く小言を言わなくてもやることをやってくれる。もちろん完璧じゃないが、それは子供だから仕方ない。ガミガミ小言を言ったところで、もっと言うことを聞かないのだ。

わたしへの批判は鎮まったが、かと言ってわたしの真似をしようということにならない。かの女性職員など相変わらず小言を言う毎日である。よく続くなと感心するが、実際はバーンアウトと言って燃え尽き症候群で辞めていく若い職員が多い。子供たちとの葛藤に疲れ果ててしまうのである。疲れ果てた挙句に子供のためになっていないのだからバカバカしいことこのうえないが、言われたこと以外にやるべきことが思いつかないのであるから仕方ない。そういうことで、燃え尽きないでいられる職員だけが生き残るのだが、その燃え尽きないような自己防衛はそれなりに皆いろんな方法で行われ、そのほとんどはあまり子供にはプラスにならないものが多い。

ではハルトモのようにやればいいのではないか? ハルトモが皆を教育すればいいという、と言われそうだが、そういう単純な話にはならない。まずわたしの言うとおりにやろうという人間はいないし、わたしはわたしで一種独特なキャラでもあるし、生い立ち、経験、対人スキル、他の職員が真似しようとしても到底真似などできないのである。

これは以前勤めていた会社でも同じだった。誰もわたしのようにはできないのでる。それをやれとずいぶん部下に小言をした。部下はわたしの言っていることがわかったようで、実はわからない。やる気はあるがうまくいかない。今にして思えば無理なことをずいぶん部下にさせようとした。だが結局ほとんどの部下はその人間の器量以上のことは、まずもってできなかった。それでも一人二人はわたしの言うことを理解してくれたので、それで救われた。一方できっこないって人間にはこっちもそうとだいたいわかるわけで、そういう付き合い方をしたほうが良かったな、と今は思うが、わたしも若かったということだろう。それと結果を出すほうが先になっていた。まず売り上げを伸ばさないことには正しいも正しくもない世界だったのである。

宿直明けの朝、子供達を起こして回る。幼児二人、おはようハルトモさんだよ、というと、あーハルトモさんだー、きゃきゃきゃと布団の中で幼児が笑うのである。さあ、着替えようね、というとキャキャキャとまた笑う。いいかげんにしなさい、と言うと、ヤダー、キャキャキャ、何を言ってもこんな感じである。何をしても怒られないと言うか、怒っても怖くないらしい。他の職員の時とは態度が違うようだ。

でも別にいいだろう。子供たちは起きて着替えて食事をして保育園に行くということは別に変わらない。伸び伸び楽しければそれでいい。
わたしも楽しい。子供と接するのはまるでパズルを解くようなものだ。無理やりやらなくてもツボにはまるとスッと子供たちが動いてくれる。その時にはなかなかいい気分がするし、仮にうまく行かなくても子供たちが機嫌良いなら、こっちが不機嫌になる必要などなにもないのである。ということで、ああ、毎日楽しかったということになる。これでいいのだ。
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Comments 5

There are no comments yet.

ハルトモ  

No title

thanks

2015/01/15 (Thu) 17:32

櫻(N)  

No title

大人や、職員さんも、子供と見做して、根気強く接し続けましょう。
その内はるとも三田キャッキャと言うかもしれません。

2015/01/15 (Thu) 17:34

ハルトモ  

No title

ハルトモはそういうことはしないのです。笑

2015/01/15 (Thu) 21:32

アユ  

No title

なんか幸せそうなハルトモさん …私も笑みが出てきます。

2015/01/16 (Fri) 00:04

woo*sto*k_w*od*tock*woo*st*c*  

No title

自分の子の育て方として読んだなら、特別変わった感じもしない方法論ですけど、懐いてもいない他人の子達に対して、毎日続けていくのはなかなか出来ることでは無いでしょうね。

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