成し遂げる人
2014年11月24日
忠臣蔵、これはお話がすごくたくさんあって、まずは、ことの起こりから討ち入りの経緯を述べる本伝、それに加えて、義士一人一人の物語の義士銘々伝、さらにその義士を取り巻く人々について語る、義士外伝と分かれている。
わたしの講談の師匠が十八番とする義士外伝に、忠僕直助というのがある。義士の一人である岡嶋八十右衛門の下僕の直助、自分の主人が貧しいが故に行き届かぬ刀を衆目の面前で馬鹿にされる。それが悔しくて悔しくてたまらない直助は出奔して大阪の刀の名工に弟子入りする。師匠からは10年は下積みだと言われるが、主人の汚名をそそぐためには10年は待てない。明けても暮れても刀を打つ稽古に没頭してそれしか考えない毎日、ある日師匠の助手が手当てできない日があり、ぜひ自分に助手をさせてくれと願い出る直助、だが師匠は3年そこらで俺の助手が務まるわけはないと相手にしなかったが、あまりに直助の頼み方が真に迫るものがあり、ひとつやらせてみようかという気になった。そこでやらせて驚いた師匠、こいつはどこかで長年修行してきたことを隠していやがったな、と直助を責め立てる。だがそこで直助から今までの顛末を聞く。納得した師匠は直助を自分の二番手の助手に先輩をごぼう抜きにして大抜擢する。そして直助は歴史に残るような見事な業物を打ち、そしてそれを持って主人のもとに帰る。主人はその刀を持ち、同僚が集まる場に赴く。皆バカにしているところ、取り出した見事な業物に一同瞠目して、主人岡島は見事面目を施す。
わたしの記憶だがだいたいこういう話である。この話の言わんとするところは、物事を成し遂げる人間は、気構えから何から全て違うのである。10年修行をしなさい、あれをやりなさい、これをやりなさいと、師匠から言われた通りにまずやってみよう。それは並の人間。
人の何倍も努力して10年を3年でなんとかしてやろうというその気構え、その人間にとっては、3年間ほとんど寝なくてもいいから、自分が思うようになるまで稽古をしようということである。言われた通りやってみて、さてどうなるか?ではないのである。師匠から最低100回練習しろと言われたとする。自分ができるようになるまで練習すればいいのである。それが200回であろうと500回であろうと。
成し遂げる人間というのは、おしなべて結論がすでに見えているのである。なぜなら成し遂げるまでやり抜く覚悟と行動力があるから。やりきるまでやめないのだから、それはやりきるという結論しかないのである。
しばらく休んでいる、講談であるが、基礎はある。児童擁護施設を卒業?したら、なんらかの形で関わりあっていきたいなと思っている。
- 関連記事
-
-
鏡開き 2014/01/12
-
退職と入職の手続き完了 2012/10/18
-
久々に英語の夢をみた 2020/07/13
-
悩み 2015/04/27
-
理想のマイホーム? 2014/08/03
-