株式投資におけるメンタルと腕前の関係

2022年05月01日
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株式投資
ゴルフの話から株の話に繋がります。ついゴルフに例えたくなるのは、わたしはスキー、サイクリング、乗馬などいろいろやりますが、一番のめり込んだのはゴルフで、他のものよりも上手です。一応オフィシャルハンデ4.8.まで行ったことがあります。ベストスコアは73、ハーフでは34を出したこともあります。クラブチャンピオンになるような超上級者ではないですが夢見ていたこともあります。余談ですがかつてともに切磋琢磨したヒロ君は昨年とうとうクラブチャンピオンになりました。ヒロ君とは数えきれないくらい一緒にラウンドしましたが、わたしでも3回やれば1回は勝つのです。わたしもなかなかのもんだったということかと。

そのわたしが現在一番好きなショットはバンカーショットです。ポンといい音がしてフワッとボールが浮くように飛んでいく。那須のホームコースにはバンカー練習場があるのでそこで練習していると、知人や同僚から、上手いね、教えてくれないと言われることもあります。いいですよとまず打ち方を説明する。バンカーショットはフェースでボールを打つというよりフェースの裏面で砂を上から叩くという感覚が必要です。ボールの後ろを上からフェースの裏で叩くのです。金槌を打つ感じ。でも実際にスイングで横の動きも入るので砂を手前から爆発させて砂とボールと一緒に飛んでいく。砂は自分に向かってきます。なぜかと言うとフィニッシュでフェースが自分の方を向くからです。

はやく株の話をしろと言われそうですがそろそろです。その打ち方を教える。素振りでやってごらんというと、誰でもすぐにできるようになります。フェースの裏で砂を叩くだけなんでまあできるんです。それでいいです。となるからじゃあボールを置いてそのまま打ってくださいと言うと、100は切れるくらいというボギープレーヤーだと、ボールを置くととたんに言ったとおりにできないのです。言われた通りにやればいいのにボールを置くとできない。不思議ですがそれくらい自分の頭と体に染みついた既成概念と先入観が邪魔をする。ボールはフェースで打つものと強く思い込んでいるからフェースをボールに当てに行ってしまうのです。結局はフェースでボールを打つことは打つのだからそこが理解しがたい。フェースで最後は打つんだけどフェースで打つ気持ちを捨てなさい、というのは頭で理解できてもできるようになるにはやはり練習しかないのです

これと同じことが株式投資でも言えると思うのです。多くの初心者は株は上がるか下がるか予測するものだと思っている。上がると予測するから買う。当たれば勝つ。わたしは株価は予測しません。と何度言っても初心者(永遠の初心者を含む)には理解されません。確かに買って上がったところで売っているから、予測しているように見えるのです。バンカーショットと同じ。結局は予測していることにはなるけど、予測をしようとしないってことです。わたしの場合は何度も書いてますが、他の株主との位置関係を重要視します。株価そのものじゃなくて他の株主より優位に立ちたい、つまり人を見る、あるいはイメージする。わたしと交流のあるプロトレーダーはわたしとまったく違うことをやってますが、やはり株価は予測しないと言っています。予測したってそれで勝てるほど当たりやしないからです。

仮に何かルールを決めたとする。ところがいざ口座の金で自分で勝負をするとなるとルール通りにできない。ルール通りやらなくてもうまくいくことも多い。逆に正しいはずだと思うことを続けても負け続けることもある。正しいはずだと思っても結果がでないと疑いの気持ちが生じます。さらにやっかいなのは実際株式投資では正しい方法そのものが変化していきます。まるでワクチンのように変異に対して変えていかないといけない。状況が変わる中同じことを繰り返していてはいけないのが株式投資。正しさそのものは変化する世界でどれが間違っているのか、これは何がなんだかわからなくなるのも無理はありません。

にもかかわらず多くの株弱者は、自分が正しくできないのは、自分の意志が弱いからだと決めつけがちです。決めたことがある。その決めたことができないのは自分のメンタルが弱いからだというわけです。なんか論理的に聞こえるようですが実は勘違いだと思います。もともとできないことをやろうとしているのです。おかしな先入観とか既成概念があるのをそれを意思の力で乗り越えようとすることに無理があるのです。しなければいけないのは先入観と既成概念を乗り越えるのではなく取っ払うことです。その取っ払うためには多くの経験と練習を必要とする。だから教わって頭でわかった気になっても実際できるようになるために長い時間を必要とするということかと思います。つまりそれが腕前をあげるということかとわたしはそう思っています。
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Comments 4

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助六  

練習と経験

ハルトモさん初めまして、助六と申します。ブログ自体は約3年読ませていただいております。初めて書き込みをさせていただきます。
私は兼業のトレーダーですが、トレードの本質をつく記事にハッとさせられることが多く、いつも非常に楽しく読ませていただいております。
「練習と経験によって先入観・既成概念を取り除く」というというのはまさに核心で、自分も共感する所が多くコメントをしたくなりました。
既成概念は自分で考えて作り出したものではないですものね。それ故にそれを依り代に行動しても他者への優位にならず当然勝ち切れない。人生も同じかと思います。
上達する、学習するとは何かというと、自分で何かを考え、実行し、それが五感を通して結果として自分に返ってきて、それを膨大な数繰り返すことで「自製」概念が出来上がる。
その自分で作り上げた「自製」概念こそが他トレーダーと一線を画す優位性なのだなと、自分を振り返って思いました。
ここ数年ゆとりができて本業の仕事量を減らして暇ですので、また書き込みさせて頂けたらと思います。
突然長文で失礼を致しました。

2022/05/01 (Sun) 18:33

zukamifu  

前回の手法と腕前と同様、今回のブログでは非常に考えさせられ事が多いです。

考えたからと言っても早々かわれるものでもありませんが、気付きは必要ですから。

その気付きも数日で忘れますけど、その繰り返しがなんとなくのイメージに変わっていくのかもしれません。

イメージ作りには最適なブログだと思っておりますので、繰り返し忘れた頃にお願いします(笑)

2022/05/01 (Sun) 19:42
川口晴朋(ハルトモ)

川口晴朋(ハルトモ)  

Re: 練習と経験

助六さん、コメントありがとうございます。
自分の優位性といいうものを考えるというのは非常に大切ですよね。優位性があるから勝てるわけですので。

2022/05/02 (Mon) 07:32
川口晴朋(ハルトモ)

川口晴朋(ハルトモ)  

Re: タイトルなし

似たようなことしか書いていませんので、時々読み返してくださいません。笑

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