格安でマンションを売買したら大変なことに
2020年10月10日
東京の都心にマンションを持っていて、そこに姪が住んでいるんだけど、それを相場よりはるかに格安で姪に譲り渡したとブログに書いている人がいた。不動産相場は上がっているので、買った時の値段を考えると、これでいいや、てことかもしれない。ちゃんと不動産契約もして登記上の所有権も移したと書いてある。本当かどうかはわからない。たぶん嘘だ。なぜ嘘だと思うかと言うと、そんなこと本当にやったら大変なことになるから、関係する不動産業者やローンを組むなら銀行とか、はたまた登記をする司法書士がアドバイスするはずだからだ。自分で勝手に契約して勝手に登記ができるわたしのような人間なら、相当の知識を持っているはずだから、そんなこと絶対しない。
仮に自分の親戚でも家族でも、相場より不動産を安く譲り渡したら贈与税がかかります。譲り受けた方が課税される。都心で5000万円のマンションを仮に格安の1000万円で買ったなら、あまりに相場より安いとして差額の4000万円に贈与税がかかりたぶん半分近く税金で持っていかれます。(多少は安く計算してもらえるかも)姪は現金なんて持ってないからマンションを売る羽目になる。税金は35年ローンなんてない。慌てて売って経費もかかればいくら残るか?結局国にプレゼントしたってことになる。
例えば田舎に壊さざるを得ないと考える古屋があるとする。大きな家でと土地も大きい。でも田舎だから土地の値段が500万円としましょう。でも家を解体するのに300万円かかる。それを買いたいとして、解体を自分でやるから差額の200万円で買ったとする。少しもおかしなことをしていないように見えるけど、税務署はそう見ない。500万円の土地を格安の200万円で譲り受けたのだから、300万円は贈与だとされて贈与税がたぶん課税される。解体費用なんてどこにも載っていないのである。仮に解体したとしてもそれはあなたが勝手にやったことだと言われる。ましてや解体が遅れていたらこの家使う気だろうとされる。これは売主に言って、売主に解体してもらわないといけない。その上で適正な価格で買うことである。でもそうするとうまくやらないと売る方の所得税が増える。まったく税というのは前門の虎、後門の狼みたいなもんである。
そのブログの話が仮に本当なら、たぶん来年か再来年か、いつか税務署からお尋ねがくる。登記の移転は法務局から税務署に筒抜けで連絡がいくのである。銀行口座だって照会されて金の動きも押さえられる。1000万円しか動いていないと知った上で聞いてくる。このマンションどうやって買いましたか? 契約して買いましたって契約書を見せると、ずいぶんと安いですね。相場は5000万円なので差額に贈与税がかかりますとかされて、税金も上乗せされて納めさせられる羽目になるだろう。でもまず嘘だ。関係する誰もアドバイスしないなんて、普通は考えられない。よほど悪意の人間が関わっていない限り。
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