コロナショックー怖い怖い在庫調整

2020年03月06日
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株式投資

カレー南蛮が好きでかみさんによく作ってもらう
食べすぎるとカロリーは脂肪という在庫になる
その在庫を減らすのは大変である


トヨタの2月中国販売7割減、新型コロナでー日経新聞 3月4日2020年

BtoB、BtoCという言葉があって、これは業態を示すものでBはビジネスつまり法人、CはConsumerつまり個人客。トヨタの商売の大部分は個人客向けなのでBtoCというわけだ。そのトヨタに部品を納める、例えばデンソーなどは商売の大部分が法人向けなのでBtoBということになる。世の中の商売はどっちかに分けられる。パソコンメーカーは基本BtoC, パソコンメーカーに半導体を納めるインテルはBtoB、ユニクロはBtoC、スマホとか、旅行業界、百貨店もBtoC、最近はヤフオク、メルカリを通じたCtoCなんてのもある。実際Consumerに物なりサービスが届くのをBtoBが支えていると言える。

さてこの世の実体経済がスムースに回るためには在庫というものが必要になる。うなぎの高級店は注文受けてから生きているうなぎを捌くから、スーパーのうなぎより余剰在庫になりづらいけど、さすがに注文受けてからうなぎを釣りには行かない。そこにうなぎの在庫というものがある。同じくトヨタも在庫を持っている。売上が仮に半分に落ちると在庫量もざっくり半分にしないといけない。

コロナショックとかリーマンショックみたいに急激に需要が落ち込むと、在庫調整も急激になる。仮にトヨタの在庫が一ヶ月とすると、ざっと言うとトヨタは2ヶ月近く物を作らなくて良くなる。実際は雇用調整とか生産設備の維持もあるのでゼロにはしないけど大きく落とす。そんな急激にやらなくてもいずれ戻るだろうとは部外者だから言えること。本当に売上がいつどこまで戻るかなんて保証はないのだから在庫調整は行われる。

トヨタにエンジンやトランスミッションなどを納めるTier1と呼ばれる一次業者は同じ理屈で今度は3−4ヶ月くらい物を作らなくて良くなる。そうなるとTier1に物を納めるTier2は半年から一年くらい物を作らなくてよくなる。極端に書いたけど、これはわたしの想像ではない。リーマンショックの時に実際に起きたことである。当時わたしはアメリカの大手半導体メーカーで自動車向けセンサーの営業責任者をしていた。車の売れ行きがどれだけ落ちたかというとよく覚えていないけど30%くらい落ちたんじゃないか。そしたら80%くらい自社製品の出荷が減ったのである。冒頭に書いたBtoBは急激にBtoCが落ち込むと在庫調整でBtoCよりはるかに大きなインパクトを受けることになる。

輪をかけて厄介なのは船上在庫である。物流は飛行機より船のほうが安い。だからよほど急ぎでない限り船が基本になる。東南アジアだと二週間とか、アメリカなんかだと一ヶ月くらい、何隻も海に在庫があって、どんぶらこどんぶらこと在庫が順に着岸するわけだ。急激に需要が減ったと言っても、おかまいなしにどんぶらこと在庫はやってくる。その在庫をどこかに保管しないといけないので、倉庫費だのがまた余計にかかる。長く在庫を保管することで品質に影響はないか?とか気にして温度とか湿度を管理するとさらに金がかかる。

そういうことでとんでもない売上減になって、かつコストもあがってひどい状態になった。あの時だけはいくら数字を落としても誰からも文句がでなかった。そういう意味では開き直って気楽さもあったけど、当然だがあとから在庫調整よろしくボーナスも調整されてそれで個人消費も落ち込めば不況は長引くというわけだ。コロナショックが実体経済にどんな影響を与えるか、お気楽リゾート暮らしのわたしには関わりはないことだけど、まあわたしの思い出に近いことはきっと、あらゆる業界で起きるというかもう起き出しているんじゃないかしら。すぐに戻るさとか言う人は実際のビジネス知らないんじゃないかと思う。おもしろおかしくは書いたけど、実際わたしには軽くは考えられない。

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Comments 2

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大変重い内容で真摯に受け止めましたが、どんぶらこどんぶらこの表現がおかしくて思いっきり刺さりました。

2020/03/06 (Fri) 17:11

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